【バランワンダーワールド】コンセプトが自らの首を絞める悪夢

開発内部のゴタゴタ

発売から1年以上経過した2022年4月28日に、中氏がスクウェア・エニックス社に訴訟を提起していたということを一連のツイートで報告した。中氏は開発途中にディレクターを降ろされ、ゲームを未完成な状態で発売させてしまったこと、その責任は制作・販売元であるスクウェア・エニックス社と、開発元であるアーゼスト社にあることを主張した。

一方の主張のみを見て訴訟の顛末を憶測するのは避けるが、このゲームの開発環境がゴタゴタ続きであったのはゲーム内容からして想像に難くない。アクションゲームとしては極度に完成度が低く、映像やBGMなど一部は非常によくできている。ここまで部分と全体の完成度の違いがあると、開発環境に問題があったとしか思えない。ただし、誰が悪かったとか、何が悪かったとか、そんな表層的なものではなく、このゲームを作る根本から問題だったと思われる。

まとめ

ゲームを楽しくするはずのコンセプトがゲーム性を破綻させ、やりたかったことはわかるが感動は伝わらないゲームになってしまった。ゲームを面白くするよりコンセプトを守り通すことを優先し、ど壺にはまった様子が伺える。ここをこうすれば面白いゲームになったのに、という点があまりにも多すぎて、もうどうしようもなかったという現実がより一層絶望感を増す。まるで、ネガティに飲み込まれていった制作陣の悪夢を追体験するようなゲームである。

しかし、彼らのもとにバランは現れなかった。

−どんな時間も、無駄ではなかった。−

参考

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